せんたく物が、なんだかくさい・・原因は?
“洗濯したのになんか臭う”
洗濯物を取り込むとき、洗いたての服を着るとき、そんな経験ありませんか?
実は、洗濯のときにカンタンな一手間掛けるだけで、解消できる。そんな方法があります。
ここでは、臭いが出るしくみと、それに対処する一手間を解説していきます。
まずは、「臭いが出るしくみ」について見てゆきましょう。
洗濯物の臭いの分類
洗濯後の洗濯物の臭いには大きく
○洗濯前の「汚れ」臭い
○洗濯後の「生乾き臭」
に分けられます。
☆洗濯前の「汚れ」臭い
これは付着した物によりますが、代表的なものとその臭いの原因物質としては
○カレー臭
様々なスパイスの香りが混ざった状態。代表的物質には、
- ターメリック α-・β-ターメロン、カンファー、シネオール、α-クルクメン
- クミン クミンアルデヒド、クミンアルコール、γ-ターピネン、α-ピネン
○汗、皮脂
- 汗 イソ酪酸、イソ吉草酸、4-メチルペンタン酸、4-メチルヘキサン酸などの短~中鎖脂肪酸。主に、ヒト常在菌のマイクロコッカス属菌の代謝により生成される。
- 皮脂(加齢臭) ヒト皮膚表面の不飽和脂肪酸の酸化によって生じるノネナールや、ジメチルスルホン、ベンゾチアゾールが原因と考えられる。
- 皮脂(脂臭) いわゆる「オヤジ臭」。ヒト皮膚常在菌により、汗中の乳酸が代謝されることで生成されるジアセチルやイソ酪酸。
○カビ臭
- 菌糸や胞子が臭気を発生させるのではなく、主にストレプトマイセス属菌が生成する、2-メチルイソボルネオール、ジオスミン。
が挙げられます。特徴は、その多くが有機化合物であり、臭いに関しては油溶性と判断されます。
☆洗濯後の「生乾き臭」
よく、雑菌の臭いと言われますが、正確には菌が臭うのではなく、モラクセラ・オスロエンシスという菌が代謝で生成する、4-メチル-3-ヘキサン酸という脂肪酸の臭いです。
代謝で生成する・・・・まぁフンみたいなものですね。もちろんエサは、タンパク質・脂質etc・・・つまり「残った汚れ」です。
洗濯をしたはずなのに、“あれ?なんか臭うな~”と思ったら、前述した「臭いの元」が残っているために臭います。
臭いを残さない(発生させない)洗濯術。
前述でも述べた通り、洗濯後に“なんか臭う”のは「臭いの元」がまだ残っているからなんです。
だから、残さない洗濯方法で洗濯を行えばOKなのです。
次に、その洗濯方法について解説していきましょう!
といっても、とても簡単。
ズバリ「よく洗い」「よく濯げ(すすげ)」です。
臭う原因は、「臭いの元」が残っているから。
だから、たっぷりの水で洗い、たっぷりの水で濯ぐ(すすぐ)ことが、とても重要で、効果的です。
各ご家庭の洗濯機の大きさはそれぞれなので、「たっぷりの水」というのは、「洗濯物の量に対して」です。
いつも通り洗濯するときに、“いつもはこれぐらい洗濯物を入れる”その量を8割程度に抑えるだけ。
もちろん、洗剤もいつも通りの量を入れてくださいね。変えるのは、「洗濯物の量」だけ。
いつも通りのコースで、水量もいつも通りでOK。
これだけで、洗濯後の洗濯物の臭いは相当軽減できます。
ただ、汚れの付き方次第では、この方法でも取れない場合があるので、そのときはクリーニング店に頼むことも考えてくださいね。
ご家庭の洗濯の豆知識
ご家庭で洗濯をしていると、白系の服がだんだんに、くすんできた経験はないですか?
そんな経験がある方は、一度お試しください。
衣服に使われている色(染料)は、目には分かりませんが、少しずつ少しずつ日々劣化しています。
そんな劣化した色(染料)は、お洗濯のとき目には分からないくらいに、水に溶けています。
(この時点で目に分かるほど色が出ていたら、洗濯表示が「水洗い不可」になっている服が混ざっている可能性大です!)
その「目には分からない程、色(染料)が溶けた水」で、白系の服を洗濯しているので、日々少しずつ染まってき、ヒトが認識する閾値(下限)を超えると、ある日“くすみ”と感じます。
そうならないために、一手間かけましょう。
それは「色の濃い服と白系の服を分けて洗う」です。
暖色とか寒色とか関係なく、どんな色でも「色の濃いもの」と「白系」に分けて洗濯しましょう。
そうするだけで、“くすみ”と感じる回数は徐々に減ってきますよ。色移りや色泣きが起こったときも被害を最小限に抑える効果もあるので、ぜひオススメです。
ただ、そうなるとモノトーン(白黒対比)のデザインの服はどうしましょう?ワンポイントで白や濃色がある服は?
分けるのに困ったときは、「一点で洗う」です。
(必ず、洗濯表示を見て「水洗い」の表示があることを確認してください。)
一点で、たっぷりの水で洗い、濯ぐ(すすぐ)ことで、くすみを完全に防止はできませんが、相当程度抑える効果が期待できます。また、他の服への色移りを防止する効果もあります。
洗濯表示に「水洗い」の表示が無い場合は、クリーニング店に依頼することも考えましょう。
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