クリーニング屋さんの受付は楽チン?

皆さんは、クリーニング屋さんを利用するときに、受付をする人は一体どんな仕事をしているんだろう?

って思ったことはありませんか?

 

・・・・・・・て、無いですよね~

 

なかなか、クリーニングの受付スタッフさんってスポットが当たらないんですよ。。。

 

実は、「クリーニングのご依頼を“適切に”承る。」この「適切に」っていうの、なかなかにムズかしいんです。

受付業務は、クリーニング業の根幹と言ってもいいくらい、重要なポジションなんです!!

 

これを知っておくと、クリーニング利用時に気になる汚れや仕上がりの要望を、より適切に受け取ってもらえるかも!?

 

というコトで今回は、“クリーニングの受付スタッフさん”が一体何をしているのか?にスポットを当てたいと思います。

 

 

まずは、一通りのクリーニング受付の「流れ」を。

 

当社のクリーニング受付を例にとると、受付業務は大きく分けて2つに分けられます。

まず、「ご依頼の承り」

 1:ご依頼品の確認・検品と、リスクの提示

 2:ご要望の聞き取り

 3:料金の計算・提示・収受

 4:ご要望・依頼品情報のクリーニング工場への引き継ぎ

 

次に、「ご依頼品のお返し」

 5:ご依頼品の仕分け・検品・保管

 6:返却時の、すぐ出しと点数確認

 

大きくこの2つの仕事をやっています。

結構やるコトがあるでしょう?

 

詳しく見ていくと、まず「承り」

 1:【受付時検品】

お客様がいらっしゃると、持っていらした依頼品を確認・検品します。

ここでは「破れ」「変色」「ボタン取れ」など、状態の種類計28項目にわたり、お客様と一緒に確認し

また、依頼品の素材(26種類に分類)に関しても確認をとり、リスクがあると思われるものは提示し、了承を得ます。

  2:【聞き取り】

お客様から、汚れやその他気になるところをお伺いします。

  3:【料金計算・提示・収受】

適正料金を頂く為に、依頼品の服の種類と素材を判別し、それぞれにあった料金を計算します。

一見カンタンそうに聞こえますが、この「服の種類」。以外と多いんです。当社の分類で約300種類の「服の種類」があります。スーツとか、ブラウスとか、ジレ、スヌード、紬(つむぎ)、絣(かすり)、etc・・・。 

そもそも、「服の種類」が分からないとレジが打てないんですよ。

レジのボタンには“ズボン○○円”とか、“セーター○○円”とあるので、例えばお持ち頂いた依頼品が、「スーツ上下の上」なのか、単なる「ジャケット」なのかが分からないと、どのレジのボタンを押せば良いのか分からないんです。なので、クリーニングの受付さんはそれらをアタマに入れておかなくてはなりません。

  4:【依頼品情報の工場への引き継ぎ】

ご依頼をお受けすると、依頼品の“素材や要望、○○店のA様”といった情報を、特殊な紙(耐洗紙)でできた タグを付け、これらの情報を工場へ伝えます。

 この紙タグ、当社で31種類あり、しかも服の種類によって取付ける場所や付け方が数種類あり、異なる付け方によって様々な情報(お客様の要望・「受付ではこの服をこう判断しました」という)を伝えています。

それだけ細かい情報を伝えるものなので当然、受付さんはすべて把握していなければなりません。

 まだまだありますよ~次に「お返し」

   5:【ご依頼品の仕分け・検品・保管】

工場から、依頼品がクリーニングを終えて戻ってくると、A様、B様・・・・とお客様ごとに依頼品を仕分けして、検品(ご要望がしっかり叶えられているか、ご要望の返答はあるのか等)をして、それぞれに保管します。このとき、すぐに出せるように整理・分類して保管します。

  6:【返却・すぐ出し・点数確認】

お客様がいらっしゃったら、ご依頼品を返却するのですが、すぐに出せるように(約2分以内)おおよその分類と保管場所は、アタマに入れておきます。

ご返却するときには、お客様を一緒に引換え伝票を見ながら点数確認をして(お渡し漏れがないように)、お返しします。

 

 業務としては、これくらいやっています。

 

やっぱり、衣服を扱う以上は、最低限の繊維・アパレルの知識も必要なんです。

 でも、これだけではないんですよ?

 

 最大のお仕事が、“人付き合い”です。

 

 リアル店舗の場合、当社で7~8割のお客様はリピーター、いわゆる「お得意さん」です。

 

ただ、お客様ごとにリズムがあって、毎日くる人もいれば、毎週・毎月・シーズンごとといった方々もいらっしゃいます。

 

 何回かお会いすれば、顔なじみになり、そのうち「今日は暑いですねぇ~」といった会話(世間話)をするようになってゆきます。

 

不思議なもので、いままでどんなタイプの人が受付に立っても、その人にあった「なじみ客」ができるんですよ。

 

 みなさんも、コンビニや飲食店、ヘアサロンのスタッフさんに「なんか、しゃべりやすいな」と感じたご経験がありませんか?

 

 当社は、この世間話を積極的に行うようにしています。

(もちろん、他のお客様が並んでいるのにやっちゃダメです!)

 

 というのも、世間話をしているとお客様の背景が見えてくるんです。

 

のんびりしている方だなとか、せっかちな方だなとか、お子さんが高校生だから制服が出るなとか。

 

 そうすると、ご依頼を受け付ける時に、お客様が言わんとしていること・意図していることを把握しやすくなり「適切に」承ることが、迅速にできるようになります。

 

 これは、トラブル防止の観点からもすごく大事なお仕事なんです。

 

 いろいろと見てきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

もちろん、クリーニング屋さんによってやり方や方針はさまざま。

あなたのお気に入りが見つかるといいですね。