殺菌・除菌・抗菌、いろいろあるけど・・コレってなに?
このご時世、何かと「細菌」「ウイルス」「感染症」という言葉に敏感になりがちですよね。
何か、対策をしようとドラッグストアにいくと色んな商品がありますね。
「殺菌」「除菌」「抗菌」・・・・なんか似たようなコトバが、いっぱいあふれていて、なんだかよくわからない。
だけど、なんだか「○菌」って書いてるし、とにかく菌に効きそうだからいいや。って思ってませんか?
このコトバの意味するところを理解すると、より求めるものに出会えるかもしれませんよ。
「殺菌」「消毒」「除菌」「滅菌」「抗菌」の違い
普段目にする機会が多いのは、この5つの言葉です。
大きくグループ分けをすると、
「殺菌」「消毒」「滅菌」と「除菌」「抗菌」に分かれます。
この違いは、“法律で定められ、明確な定義があるモノ” と “法律がなく、定義がないモノ”です。
まず、一つ目のグループ。
“法律で定められ、明確な定義があるモノ” は、薬事法・薬機法によって、効果が認められた医薬品・医薬部外品・医療機器にしか使用できない名称です。
「殺菌」
文字通り、“菌・ウイルスを殺す効果”のことです。 ただし、死滅させる菌・ウイルスの種類、死なせる量については決まっていません。極端なハナシ、95%のウイルスが残っても5%を殺せていたら「殺菌」と言うことができます。
「消毒」
“菌・ウイルスを無力化(無害化)する効果”のことです。上の「殺菌」とよく似ていますが、これは目的が“死滅させること”ではなく、“無力化(無害化)”させることなので、「菌・ウイルスの数を無害(無毒)になるまで減らす」「数は減らさなくても、感染力をなくす」効果のことです。
「滅菌」
これも文字通り、「有害・無害問わず、全ての菌・ウイルスを死滅させる」効果のことです。法により、規定の方法で「菌・ウイルスの残量が、100万分の1」になれば「滅菌した」と言えます。菌・ウイルスの除去率でいうと、最強です。有無を言わせませんからね。
一般ではあまり目にすることはなく、主に医療器具、特に手術器具関連でよく使用されています。
ドラッグストアなどで見かけるのは「滅菌ガーゼ」ぐらいでしょうか。
もう一つのグループ
“法律がなく、定義がないモノ” は、主に医薬品・医療機器“以外”の一般商品が使用している名称です。
今のところ、所管する法律が「うそ・誇張はダメよ」という景品表示法なので、菌・ウイルスに関する規定はありません。つまり、商業用の名称になります。
名称も特に規定は無いのですが、一般的によく使用されているのが、「除菌」「抗菌」という名称です。
菌・ウイルスに関する規定は無いものの、景品表示法で「根拠が無い・実際の効果と誤認させる」モノは「うそ・誇張」になるので、一般商品であっても「効果に対する根拠の明示」は必要です。
ここでは、一般によく目にする「除菌」「抗菌」の意味するトコロを見てゆきましょう。
「除菌」
文字通り、「菌を取り除く・減らす効果」のことです。先ほどの、「殺菌」とほぼ同じ意味ですが、一般商品は「殺菌」という名称を使えないので、よく使用されます。菌を殺さなくても、例えば塗布・スプレーした面から菌を減らせればOKなので、どの程度菌を減らすかについても定義はありません。つまり、極論すると水洗いで手を洗っても除菌と言えます。
逆に、十分に菌を死滅させる効果があっても、一般商品では「殺菌」とは名乗れません。
「抗菌」
菌・ウイルスを殺す効果ではありません。「あらかじめ菌・ウイルスが住みにくい環境を作る効果」のことです。これにより、菌・ウイルスが増えるのを抑えるものです。
ただ、これも対象となる菌・ウイルスの種類、量、範囲などは定義がありません。
さて、「規定がなく」「定義もない」商業用の名称は、それだけに、効果に対する「根拠」をわかりやすくお知らせする必要があります。そうしないと、「ウソ」になっちゃいますからね。信用されません。
そのための民間・業界団体があり、効果を測る検査法・基準を定めて、合格した物・企業には認証を与える制度を実施しています。
代表的なもので、「抗菌製品技術協議会(SIAA)」がありますが、こんなSIAAマークを見た方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん、企業が独自に検査して効果を実証しているケースもあります。
ちなみに、私たちの提供する「抗ウイルス加工」は、日華化学(株)さん(SIAA参加企業)の「オーリス」とういう薬剤を使用し、加工を施しています。
https://www.nicca.co.jp/productinfo/cleaning/orris.html
これは、ウイルスのDNA・RNAを守っている「エンベロープ」を破壊する効果のある薬剤であらかじめ生地に加工しておくことで、生地上についたウイルスが死んでいき、増えることを抑える効果があります。
この効果は、日本工業規格「JIS L1922 繊維製品の抗ウイルス性試験方法」にて評価し、実証されています。
安心して、衣服に触れる。そんな世の中に、早くなるといいですね。
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